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無事に式を終えた新入生たちは拍手の渦に包まれながら会場をあとにした。
その拍手が鳴り止むとその場を支配していた緊張の糸はふつりと解れ、新入生に続くように来賓客が会場をあとにすると会場からはどこからともなく『ようやく終わった・・・』と言うような空気が流れ出した。
それは九条とて同じで九条はひっそりと溜め息を吐き出していた。
「長かったですね~・・・式」
そう九条に声を掛けてきたのは隣の席に着いていた早川だった。
早川は九条と視線が合わさるとニコリとして無遠慮な溜め息を吐き出し、ざわざわとおしゃべりをはじめた在校生の群れへと目を向けていた。
「あの挨拶をしたコ・・・あの明るい髪色の新入生くん。えっと~・・・」
そう言って呻く早川に九条は内心、呆れていた。
新入生代表の挨拶を行った生徒の名前くらい覚えられないものか・・・と。
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