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青い春。
『【青春】は、どうして【青い春】と書くのでしょう?』
高校時代、そんなことを日誌に恥ずかしげもなく書いた馬鹿がいた。
それを読んだ担任は『とても素敵だ』とそれを書いたヤツを皆の前で饒舌に褒め称えた。
その担任の担当科目は数学だった。
古典や現代文の教師がそれを褒め称えるのならまだわからなくもない。
それなのに・・・だ。
皆、上気した様子のその担任に目を丸くしていた。
それは褒められているそいつも同じだった。
その担任は決して愛想のいい教師ではなかったし、生徒を褒めるような優しい教師でもなかった。
そして、褒められているそいつは人に褒められることに慣れていなかった。
そいつは日誌にそんなことを書いてしまったことを後悔しつつもひっそりとした嬉しさに心を満たされていた・・・。
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