丸いサイコロ

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    □ 先生の叫びが聞こえるか聞こえないかで、場面は一気に変わった。 ななとくんのお母さんですよね、おはようございます。 えーっと、これなんですが。 ご家庭で、なにかもんだいがありませんか。 朝の健康観察表も、ちょっと、不思議な怪我が目立つといいますか…… ――はあ、もんだい、ですか、とくには。うちの子は、すこし、かわってるので。もんだい、ありませんよ。ねぇ? なぁちゃん。 ――なにもない。 ――本当に? ――ないったら。ぼくは、かえる。 かえるから。 ぐにゃぐにゃ、景色が歪む。見慣れた、家の風景。二階の窓。天井。 ――健康観察のこと、先生に言ってたんだって? 誰にも言うなって言ってるのに。 なぁ、そんなに、俺をバカにしたいか? ――けがをきかれただけ。 ――ふざけんなよ、嘘だって、言え! 嘘だって言えよ! 許さんからな!!  お前、そうやって、俺をバカにしてるんだろ! なぁ!  ――おにいちゃんがやってることは、いじめっこと、おなじだ……おなじやりかたで、ぼくをバカにしているだけだ。 じぶんで、できないことを、ぼくにぶつけても、むりにみくだそうとしても、なにもかわらない。 それだったら、もっともっとべんきょうすればいいのに。 ――うるさい!!!! うるさい!!!! 死んでしまえ! 死ね! さっさと、
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