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先生の叫びが聞こえるか聞こえないかで、場面は一気に変わった。
ななとくんのお母さんですよね、おはようございます。
えーっと、これなんですが。
ご家庭で、なにかもんだいがありませんか。
朝の健康観察表も、ちょっと、不思議な怪我が目立つといいますか……
――はあ、もんだい、ですか、とくには。うちの子は、すこし、かわってるので。もんだい、ありませんよ。ねぇ? なぁちゃん。
――なにもない。
――本当に?
――ないったら。ぼくは、かえる。
かえるから。
ぐにゃぐにゃ、景色が歪む。見慣れた、家の風景。二階の窓。天井。
――健康観察のこと、先生に言ってたんだって?
誰にも言うなって言ってるのに。
なぁ、そんなに、俺をバカにしたいか?
――けがをきかれただけ。
――ふざけんなよ、嘘だって、言え! 嘘だって言えよ! 許さんからな!!
お前、そうやって、俺をバカにしてるんだろ! なぁ!
――おにいちゃんがやってることは、いじめっこと、おなじだ……おなじやりかたで、ぼくをバカにしているだけだ。
じぶんで、できないことを、ぼくにぶつけても、むりにみくだそうとしても、なにもかわらない。
それだったら、もっともっとべんきょうすればいいのに。
――うるさい!!!!
うるさい!!!!
死んでしまえ! 死ね! さっさと、
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