捨てた少女《しょうねん》

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 [そうか、お前は男のフリをして男の団体に潜り込み、男の裸を舐め回すように見たい だけの、とんだヘンタイ女なんだな!]  気づいた時には、目の前のヤツの顔にオレの拳がめり込んでいた。 それくらい、オレの頭は怒りで支配されていた。  殴った勢いで地面に倒れ込んだヤツを見下しながら、怒りの言葉をぶつけた。 『人の心を理解しようともしねぇーで、見た目だけで自分勝手に全部決めつけてんじゃ ねぇ!!お前みたいなクソなヤツらがいる限り、オレみたいな人間が永遠と苦しみ続け てんのを自覚しやがれっ!!!!』 そう言葉を投げつけて、性別で区別された施設から怒りをまき散らしながら出て行った。    人を地面に叩きつけるほどの威力で殴ったあげく、見下しながら暴言を吐いてその場を 去った、まるで暴行常習犯のような行動をとったにも関わらず、オレを止めるヤツも居な ければ、追いかけてくるヤツも居なかった。  施設を出てしばらくしても、オレの腹は煮えくり返ったままだ。 オレは男なのに、見た目だけで勝手に<女>だと決めつけられる。  今まで何度も何度もこんな目にあってきたし、その度に心に生まれる怒りを押し殺して おおごとにならないようにしてきた。  けど、今回ばかりは押し殺すメーターが破裂した。   オレだって...... 「好きでこんな(カラダ)に生まれたかったわけじゃねぇよ...」
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