捨てた少女《しょうねん》

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 怒りが落ち着いた頃には、自宅に到着していた。  今日はいつもより疲れた...    安いボロアパートには癒すものなんてなくて、こういう時に一人暮らしの寂しさを痛感 する。  けど、実家にいる家族にだけは死んでも頼りたくない。    オレが「本当の自分は<男>だ」と家族にカミングアウトした時、家族はオレを拒絶は しなかった。  けど、"支持"はしてくれなかった。 支持どころか、<女>だってことを強要してきた。 [貴女は<女の子>なんだよ?]、[目を覚ましなさい]、[貴女は他の女の子が羨ましく思う くらい、恵まれた身体をしているのよ]  オレは<女>なんだと、<男>なんかじゃないと、家族は必死に<女>に戻そうと抗議 してきた。  何を言おうと、オレの気持ちには変わりはないのに。むしろ『本当の自分』を見つけ られて、オレは嬉しかったのに。  <男>のオレを、家族は認めてくれなかった。 だからオレは、家族の言い分を無視して、家を出てやった。  こんな世の中、オレみたいな人間を理解してくれるヤツはいない。 拒絶してくるヤツはいるけど。  仲間なんていない。独りのままだ。 でもオレは、理解してくれるヤツがいなくても、このままずっと独りでも、この生き方 をやめるつもりはない。  今のオレが、『本当の自分』なのだから  拒絶され嫌われようが、独りで生きていくことになろうが 誰に何を言われようとも...... 「オレは、(オレ)の道をいく。」
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