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捨てられない少年《しょうじょ》
ーーーあ、可愛いなぁーーー
目の前を通り過ぎて行った女の子を見て、ふとそう思う。
僕の近くにいた男の子たちも、その子を目で追って頬を赤らめる。
なんせ目の前を可憐に通っていった子は、この学校で一二を争う美少女だ。
僕の通うこの学校は、指定の制服がなく、好きな服やアクセサリーを自由に身に付け
られるので、年頃の女の子たちは、可愛さを自由に楽しめる。
そんな感じの学校だから、美少女が可愛さを自由にまとえば、たくさんの男の子が
盛り上がる。[あの女子のここが可愛い]とか、[どの女子が好み]とか。
年頃の男の子なら、誰でも思うことだ。
でも、僕だけ見る目線が違う。
普通の男の子は、『女の子』に目線がいく。
けど僕は、女の子が『身につけている物』に目線がいく。
女の子に目線をやりながら、僕は心の中で呟いた。
「僕も......着てみたいなぁ......」
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