秋桜の章‐はじまり‐

1/24
74人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ

秋桜の章‐はじまり‐

 チク・タク・チク・タク、時計の進む音がする。  もし、この時計の針を巻き戻すことが出来るなら私は、わたしは──!  ピピピピピピピッ  アラームの鳴る音に目が覚める。 「あれ…私何の夢見ていたんだっけ?」  眠気眼をこすりながらぼんやりと思う。    最近夢を見ることが増えた気がする。大抵どんな夢かは覚えていない。モヤモヤとしながらベッドから降りる。そんな朝が続いていた。  うーんとそれっぽく唸ってみても思い出せる気配がない。いつまでもぼんやりしていられない。学校に遅れてしまう。頭を切り替えるように、勢いよくパジャマを脱ぎ、制服のワイシャツに腕を通す。 「今日は志乃ちゃんが朝ごはん当番か」 ホッと胸を撫で下ろす。 「まあ、私も料理のことは人の事言えないけどね。今度志乃ちゃんに教えてもらおうかな。もちろん鳴子と一緒に」
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!