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ー トキの認識 ー
トキ:
『ユリアさん。あなたにはヒーラーの能力がある様だ。他人の意識が視えたり未来が視えることがあるんじゃないか?また、他人を癒すこともできるのでは?』
ユリア:
「はい。その通りです。わたしはレイキを用いて人にエネルギーを分け与えることを生業としておりました。しかし、それを続けることで精神に支障をきたしてしまったのも事実なのです。」
トキ:
『なるほど。あなたは、あなたの中にいる自己の存在をまだ認識していないようだな。』
ユリア:
「自己とは?」
トキ:
『無意識の中枢にあるあなたという個人を司る存在のことだ。そして、現在あなたの自己の力が弱まっている。それがあなたの症状の原因だ。』
ユリア:
「何故その自己の力が弱まっているのでしょうか?」
トキ:
『ふむ。これは憶測ではあるが、あなた自身が、他人の意識・死者・未来などと繋がったとき、つまり、あなたの自己が別次元に身を置いたとき、全たる力は強まり、代わりに個としての力が弱まったのだと考えられる。』
ユリア:
「全たる力が強まり、代わりに個としての力が弱まった...。」
トキ:
『そうだ。それが結果として感情の暴走を増進させているのだろう。特に隠な感情が活発になる筈だがどうだ?』
ユリア:
「はい。わたしは鬱を患っています。トキさん、自己の力を強める方法はないのでしょうか?治す方法は?」
トキ:
『ある。まずは、あなたが自己の存在を認め、対話により自己を知ること。そして、別次元との繋がりを断つこと。この二つだ。』
ユリア:
「なるほど...。」
トキ:
『ユリアさん。あなたはこれまで常に別次元と繋がってきた。そして、それは諸刃の剣なのだ。剣をへし折るか鞘に収める習慣を身につけるか、どちらかを行わなければあなたの心は壊れてしまう。』
ユリア:
「壊れかけのレディオ...。」
トキ:
『まぁ。そういうことだ。』
ユリアは奇跡の医者トキの指導を受け、自らの自己、ラオウとの対話を試みることとなります。
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