きっかけ

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あれは、高校1年生の頃かな。 実家の自分の部屋で寝ていると夜中の3時くらいに突然金縛りにあったんですね。 まぁ金縛りなんてよくある話で霊でもなんでもないって事なんだけどね。 当時の僕もそう考えてて疲れてるのかなくらいにしか思ってなかったんですよ。 小学生の時からちょくちょく金縛りになってたんで、高校生の時には慣れっこだったんですよね。 でもその時はいつもとちょっと違うことが起きたんです。 いつもの様に ≪ピキーン≫ っていきなり全身動かなくなって、目は動かせるけどちょっと世界が回ってるって感じだったかな。 (早く解けろって。面倒くさいな。) みたいな気持ちでしばらくいたら、 右耳の後ろに生温かさを感じたんですよ。 (えっ?何だこれ?気持ち悪っ。) って思ってたら、耳元で何かを囁く声が聞こえてきたんですよ。 (何かのメッセージ?念仏?) 何を言ってるかよくわからない。 ただひたすら耳元で囁かれるんですよ。 怖すぎて目をギュッと閉じたんです。 でも、理由はわからないけど、 茶色い背広を着たおっさんだってのは、わかったんですよ。 直視した訳じゃないのにイメージの中でおっさんが喋ってるのが視えてくるんですよね。 恐怖で混乱して自分が勝手に作り出した映像なのかもしれないけど、その時ははっきり視えた感覚だったんです。 時間的には3分かな5分かな。 実際には1分も経ってないのかもしれない。 囁きが終わりおっさんが去っていくのが視えた気がしたんです。 その瞬間、ふっと金縛りが解けたんですよね。
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