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3話 ドキドキが止まらない
「大人の対応って、あれが普通じゃないのか?
っていうか、あの断り方って正しかったのか?」
「正しいよ! だって、あの人たちを傷つけずに断ったし!
でも、あの人たちになんで男友達がいるってわかったの?」
私はふと、さっきの黒炎君の言葉を思い出し、質問を投げかけた
「あー、それはな。さっきの数は3人だっただろ?
3人とも浴衣で、しかもメイクもバッチリしていた。
その内の1人は、俺に声をかけながらもスマホばかりのほうに気をとられていた。
本当に俺を誘う気があるなら、そんなことはしない。
ってことはだ、あの3人には連れがいるって思ったんだ。
携帯で連絡を取ってたんだろ、今どこにいる? とかな。
それに、少し遠くから男たちがこっちを見ながらガン飛ばして来てたからな。
あれは間違いなく、3人の連れだって核心したんだ」
「・・・・・」
開いた口が塞がらないっていうのは、まさにこのこと
あの短時間で、3人の行動を把握していた黒炎君に私は驚いた
学校の成績は確かに上から数えたほうが早いくらい優秀だけど、学校の勉強とこういうことはまた別
黒炎君の意外な一面を知れて、私はまた黒炎君のことを好きになった
「朱里。なんで口開けたまま、ボーっとしてんだ?」
「な、なんでもない!」
ハッと我に返った私
「そんなことより、行こうぜ。夏祭り」
「うん!」
私は嬉しそうに返事をして、黒炎君の後ろをついていく
「あ、そうだ。言い忘れてたことがあった」
「・・・?」
黒炎君は振り返って、私と視線を合わせた
「朱里。その浴衣、似合ってる。凄く綺麗だ」
その笑顔は、とってもカッコよくて、見てるこっちがドキドキしてしまう
普段は絶対に言わないような言葉を恥ずかしげもなく言えてしまう黒炎君はやっぱり男の子なんだなぁ
「っ・・・/// あ、ありがと」
私は目を合わせたままが恥ずかしくなり、下を俯いた
「さーて、何から食うかなー。やっぱりタコヤキか? 買ってくるから、その椅子に座って待っててくれないか?」
「わかった」
むしろ1人にしてくれて良かった
あのまま黒炎君の顔を見てたら、私の心臓が持たないっ
なんで、あんなにカッコイイわけ?
いつもは、アカリアカリって言って、ゲームの話ばっかりなのに
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