後編

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「君が勇者召喚されたのと同時に、私は魔王召喚されました。それが、この世界の基本的な仕組みだね」  もう笑いながら話されているし。 「で、基本的に勇者と魔王って、夫婦や恋人同士、兄弟姉妹(きょうだい)がなりやすいみたいなんだよね」 「あれ? でも、俺たちって、クラスメイト……」 「だと思ったでしょ? ここで、待ち合わせしていたあの日に繋がります」  マナ様の笑みが、口角だけを上げたまま消える。  そして、おそらく勇者だけが知らなかったであろう爆弾を、マナ様は落とされた。 「私たち、異母兄妹なんだよ。ちなみに、私の方が誕生日が後だから『妹』ね」 「……」  どうやら、勇者は声が出ないらしい。 「まずは、謝罪させて。うちの父親が迷惑掛けました」 「……ぁ」 「本来なら、君も不知火姓になるんだろうけど、いろいろと警戒したらしい父がそのままにしたみたいだね」  ようやく反応した勇者を余所に、マナ様は話していく。 「ちなみに、君のことは高校入学時から知ってました。まあ、その辺は、同じ高校なら良いなぁ程度だったんだけどね。私、これでも頑張ったよ? 情報収集に全力を注ぎました。その結果が、これです」  マナ様が悲しそうな顔をする。 「しかも、名前に『北』と『南』を入れている辺り、あと二人ぐらい居そうなんだよねぇ」     
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