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「そもそも、私に与えられた『魔王』としての主な仕事は、この国の統治と統率者としての任。だから、基本的にやることは、そちらの王様たちと同じだと思ってもらって構わない」
書類を通しているとはいえ、一度抜き打ちの現地視察を行ったことがある。
この城以外に知らなかったマナ様だから、行きはずっと楽しそうだった。
現地視察地での状況に、付き添った私たちも顔を顰め、もしかしたら、という可能性が出来たことに不安しか無かった。
『次来たとき、少しでも改善されてなかったら、別の場所に左遷するね』
立派な脅しでした。
「基本的に私は、この城から出ないから、悪事をしようにも『魔王』としての仕事が山積みだから、わざわざ人間国に行って悪事をするなんて、そんな暇無いんだよ。それにしても、こっちでも書類仕事とか、私に過労死しろって言ってるのかね」
「魔王様、笑い事じゃありません」
休みがあるとはいえ、知能の低い魔物たちの起こす問題の後始末は、最悪私たちがやっていますが、当然倒れる者も居ます。
「そっちの王様だって、あんまり外に出ずにお仕事してるでしょ? それと一緒だよ」
「だから、その代わりに魔物を仕向けたりしているのだろう!?」
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