後編

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「彼らは、悪く言えば知能が低く、単に本能に従っているだけだ。こちらが何て言おうと理解してもらえないんじゃ、手の打ちようがない。もし、彼ら以外の奴らを見たのだというのなら、それは好戦的な奴らだろうね。彼らには戦うなとは言ってないし」  相手の言い掛かりのようなものに、マナ様が冷静に返す。 「好戦的なタイプは、行動を封じれば封じるほど面倒で厄介だからね。クーデターなんか起こされた上に内戦なんてしたくないし、さっきも言ったけど、私は死にたくないし」 「だからって、放置するのもどうかと思います」 「放置はしてないし、対処はしてる。この国の内輪問題に、貴女たちに口出しされたくはない」  勇者一行の女魔導師が口を出すも、マナ様からすぐに反論される。 「さて、と」  マナ様が椅子から立ち上がる。 「ハルトさん」 「何でしょう?」 「この国のことを任せますね」 「はい?」  何を言っているんだろうか。 「ちょーっと、遠い所までお仕事に行ってきます」 「え?」 「逃げるつもりか! 魔王!!」 「逃げないよ」  冷静に、今まで見てきた彼女とは違う、彼女がそこに居た。 「ハルトさん。いつまで経っても戻ってこなかったら、私の机の一番上の引き出し、開けてみてくださいね」 「マナ様」  嫌な予感が、止まらない。  せっかく、この人なら大丈夫かと思っていたのに―― 「不知火さん、何をするつもりですか?」 「何も? ただ、リア充嫌いの神様を片付けようかと」     
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