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「マナのことを思うと、あまり顔を出さない方が良いと思うんだけど」
執務室で仕事をしていれば、フィーネさんがやってきました。
「書類を届けることに関しては、どうにも出来ないからね」
「それもそうですね」
はい、と書類を渡されたので、受け取ります。
「あと、これも」
「……?」
ついでとばかりに渡された紙を見てみれば。
「フィーネさん、これって……」
「いつ戻ってくるか分からないから、マナが戻ってきた時のために、パーティーの余興練習でもしようかとね」
年単位になる可能性もあるのなら、それまでの時間を生かすべきじゃないのか。
今までの『魔王様』相手ならそんなことしないだろうが、つまり、それだけマナ様が人望を得たということだ。
あんたも何か練習しておきなさいよー、と言って、フィーネさんが執務室から出て行く。
「何をすればいいんですかね」
何をすれば、彼女に戻ってきたのだと、実感させることが出来るだろうか。
「マナ様……」
どうかご無事に戻ってきて下さい。
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