後編

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「マナのことを思うと、あまり顔を出さない方が良いと思うんだけど」  執務室で仕事をしていれば、フィーネさんがやってきました。 「書類を届けることに関しては、どうにも出来ないからね」 「それもそうですね」  はい、と書類を渡されたので、受け取ります。 「あと、これも」 「……?」  ついでとばかりに渡された紙を見てみれば。 「フィーネさん、これって……」 「いつ戻ってくるか分からないから、マナが戻ってきた時のために、パーティーの余興(・・)練習でもしようかとね」  年単位になる可能性もあるのなら、それまでの時間を生かすべきじゃないのか。  今までの『魔王様』相手ならそんなことしないだろうが、つまり、それだけマナ様が人望を得たということだ。  あんたも何か練習しておきなさいよー、と言って、フィーネさんが執務室から出て行く。 「何をすればいいんですかね」  何をすれば、彼女に戻ってきたのだと、実感させることが出来るだろうか。 「マナ様……」  どうかご無事に戻ってきて下さい。     
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