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教室で待っていた時に、足下で輝く魔法陣が現れたのは。
そして訪れた、心の何処かでは『違うのでは?』と疑っていた私たちの関係が、『事実』であることを肯定する世界への召喚へと繋がるのである。
☆★☆
「そして、私はこの世界に来たんだよ」
「へー」
話を聞いていた小さい子たちに、そう告げる。
一部は思い出すように話していたわけだけど、あの時の私は若かったわけだから、完全に感情をコントロール出来たわけではない。
「じゃあ、母様は伯父さんのこと、今ではどう思ってるの?」
「そもそも、兄妹って分かるまで、母様は伯父さんのことをどう思ってたの?」
「伯父さんのことは、異母妹として好きだよ。親愛や友愛といったところかな。義兄妹だって分かる前は、居るってこと自体、知らなかったからね。調べ始めたのと同時に知った、っていう感じかな」
今の説明で分かってもらえたかな?
「何を話してたの?」
「異母兄さんと出会うきっかけをね」
そうこうしている間に、話のネタにされていたご本人の登場である。
「……もう慣れたとは言え、その呼び方はなぁ」
「そっちだって、気兼ねなく『真南』って呼べるようになったじゃん」
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