13人が本棚に入れています
本棚に追加
「ありがとうございます。でも今は、社交辞令として、受け取っておきますね」
女好きからは華麗に避けていった。
幹部たちの所を後にすれば、次は騎士団や文官たちの元を訪れては、幹部たちと同じように挨拶していった。
「みんな優しそうで良かったです」
「ですが、これからですよ。我々はマナ様の器量をよく分かっていませんから、魔王として示されなければ」
「そうだね。じゃ、まずは書類仕事からだね」
執務室に戻ってきて、笑顔でそう仰られました。
☆★☆
マナ様は聡明だ。
書類仕事にも手慣れているように見えたから聞いてみれば、『生徒会』なるもので慣れているかららしい。
「学校の、生徒側代表みたいなものだね」
と説明された。
あと、マナ様が居るからか、怖いぐらいに作業効率が良い。やっぱり、一人で捌くよりは誰かと一緒の方が処理スピードが早いのだ。
マナ様と勇者の関係については聞いていない。
時折、水晶で様子を見ているようだが、「うわぁ、さすが」と洩らしていた辺り、やはり知り合いなのだろう。
「あの、マナ様」
「何?」
「勇者が来たらどうしますか?」
「話がしたいかなぁ」
話? と首を傾げれば、マナ様が教えてくれた。
最初のコメントを投稿しよう!