星と星をつなぐもの

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放課後、学校の屋外階段の踊り場で目を覚ました志織はぼんやりしながら空を眺める。 暗くなり始めた空には一番星が輝いていた。 その星と今の自分には手の届かない相手が重なって見えて、無意識の内に掴もうとするように腕を伸ばす。 けれど、星が見えるという事は家に帰らなければいけないという現実に引き戻され、急いで帰宅する。 息を切らしながらもなんとか門限の時間に間に合った志織は、家に誰もいない事に安堵しつつも寂しさを覚える。 帰って来たことを知らせるメッセージを親に送り、家の中に入って行く。 リビングに入ると返信が来たので、手慣れた様子で作業のように適当に返しておく。 自室に行くと真っ先に机に向かいPCの電源を入れる。 SNSの画面を開き、カオリから送られてきたDMを見て通話の準備をする。 カオリとはネット上で知り合い、今ではカシオペアの動画編集をしてもらっていてこの日も動画についての話をする為に通話をする予定だった。 通話を始めると早々に本題に入る。 そうして長時間の通話を終えると空腹を感じながらも動く事を億劫に感じて、動画投稿サイトを開き北斗七星の曲を流す。 機械の声は人のような温かさは無い筈なのに、スッと耳にも心にも入ってきて落ち着くものだった。 彼の作る曲は共感出来るものだったり、寄り添ってくれるような優しい音色だったり、一つの物語を読んでいるような気分になるもので、不思議とそれが心地良くいつも助けられている。 それと同時に過去の出来事を思い出させるものだった。
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