3浪 180805

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このようにして、私に更なる不幸がやってきて、私の浪人生活は始まった。  一昨年。2度目の受験の日。  天気予報は曇り。雪は無い。  寝不足が続いているが、体調は悪くない。  そして今度は受験票を忘れない。同じ過ちはしない。もう二度と。  強い気持ちで迎えた受験当日。朝起きると、なんだか静かな居間。  ばあちゃんはまだ寝ている?  布団の中のばあちゃん。ばあちゃん?  返事がない。  触ってみた。  冷たい。  いかん。救急車。  やってきた救急車は、ばあちゃんと私を乗せて、静かに走り出した。サイレンを鳴らすことなく。  ばあちゃんは亡くなった。  そして、私は一人になった。  ああ神よ、と私は思った。  どうか私を救いたまえ。  どうか。  不幸から、私を救いたまえ。
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