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「ふはははっはは、はっはっは!我が名は人呼んでスランプマン!お前らリア充どもをスランプに陥らせてくれる!」 突如街中に現れた黒装束の男。その目は黒い布で覆い隠されている。人々は阿鼻叫喚の悲鳴をあげ逃げ惑うが、男の頭の中の黒々とした想いが引きおこす爆発的エネルギーにより、たちまち彼らは男に追いつかれてしまう。 「うぐぐっぐぐ」スランプマンは呻きながら笑う。「これでもくらえ、スランプ光線!」 びびびびび。指から発射されるスランプの粒子がエリートサラリーマンのこめかみに命中し全身に染み渡る。エリートサラリーマンはたちまち頭を抱え叫び出した。 「ぐおおお!やる気が出ない!なにしていいのかわからなくなった!死ぬ!」 「ミチルくん!どうしたの!」エリートの側の美人OLが駆けつける。 「もう遅い。」スランプマンはにやりと笑う。「スランプってどうやって起きるかわかるか?俺様が10年もの間スランプに陥ったからよくわかる。能力が低いからじゃない。状況が悪いからじゃない。ただただ、脳が疲れてしまったときにおきるのだ。」 「だれか・・・だれか・・・僕にやる気をくれ・・・!」エリートは泣きながら天に手を伸ばし、OLは泣きながら彼を抱きしめる。 「つまりスランプビームはな、脳細胞を微細に破壊する事で、生きとし生けるものの全てのやる気を無くし、そして立ち直る気力すら失ってしまうってやつよ!ざまあみやがれ!」 「ひどいわ!」OLは噛みつくように泣きじゃくった。「あんたなんか、最低、いや、最低より低い!あんたのような奴はいずれ報いがくるわ!」 「報い・・・?」スランプマンはニィと笑う。「そうか、正義とやらを、神とやらを信じているからお前たちはやる気があるのか。」 「そうよ!人は弱い。あなたもそうでしょう?」 「人は弱い、だトォ!」スランプマンは逆上した。「俺は、強い!強いんだ!誰よりも・・・くらえ、スランピングダッシュ!」 スランプマンの手から光の刃が飛び出し、そして凄まじい速さでOLに斬りかかろうとした、その時。 「やめないか。」 エリートサラリーマンがスランプマンの腕を掴んでいた。 「なっ・・・。」 スランプマンが次にものを言う間も無く、エリートはスランプマンを放り投げた。
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