7.夜明け

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まさか秋葉から話しかけてくれるなんて。 表情が緩みそうになるのを抑える。 「秋葉から話しかけてくれるとは思わなかった」 俺たちは、食事もできるカフェにいた。 「時間が欲しいって言ってから、なにも返事が出来ていなかったから・・・」 覚悟はしていたものの、その言葉を聞くとガチンと身体が緊張する。 目で、続けて、と先を促す。 「信じたい、と思ってる。 本気でって言ってくれた気持ちを。 でも、これまで松原さんと噂になってる人も、何人も見たことあるから、手放しでは信じられない」 ゴクっとツバを飲み込む。 そりゃそうだ、これまでゲームと称して遊んできた子の中には、もちろん社内の子もいる。 揉めるようなことはしていないつもりだが、それでも噂になってはいるだろうし、事実は消えない。 「秋葉の言うとおりだと思う。 自業自得だけど・・・ ほんとに、もう二度とそんなことはしない」 我ながら説得力の無い言葉を発したところで、 秋葉が口を開いた。 「もし、・・・もし本気で好きだと思ってくれてるなら、 ほんとに、ありのままの私でいて、 受け入れられるかどうか、松原さんにも考えてみて欲しい。」 ガバッと顔を上げる。 まじか! 嬉しそうな顔をしてしまっていただろう、その顔を見て、秋葉は、 「私、結構わがままですよ。松原さんが嫌になるかも」と苦笑した。
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