トナリ

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でもね。 僕は麻帆に話をしていないことがある。 「偶然」ってそんなにあることじゃないと思うんだ。 「偶然」を装った「必然」だってこと。 例えば、散歩のコースはどうにだってなる。 麻帆の一日の行動が大体わかれば、どこに行けば麻帆に会えるかくらいはわかる。 例えば、河川敷を通ることだって知ってる。 雨の日に河川敷に段ボールが置いてあって、犬がそこにいれば麻帆は放っておけないはずだ。 それから、僕と犬がじゃれ合っていたら慰め合っているように見えるはずだ。
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