Cloudy mind

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甲斐 ぼんやりと空を見上げるけど、今日はどんよりとした曇り空。 「はぁ」 こんな日はただでさえ憂鬱な気分になっちゃう。 思わず零れた溜め息。 ユウちゃんは大丈夫だろうか。政宗さんと無事に会えただろうか。 さーちゃんもユウちゃんに急を伝えてから、またすぐどこかに行ったっきり会えてない。 ユッキーに聞けば、仕事でいつ戻ってくるかはわからないって。 いつもなら長く留守にする時は一言声を掛けてくれるのに。それだけ、急ぎの仕事だったのかな。 さーちゃんも無事に帰って来てくれればいいなぁ。 曇り空を見ながらそんなことを考えていたら、バタバタとした足音が聞こえてきた。 「夏樹ちゃん!!」 廊下の角を曲がって現れたのは、酷く慌てた様子の志絆さんだった。 「ど、どうしたんですか!?志絆さん」 志絆さんがこんなに慌てるなんて、本当にどうしたんだろう。 「信玄さんが、倒れた」 一呼吸を置いて、紡がれた言葉。 「……え?」 信玄さんが倒れた? 「うそ」 今朝、挨拶した時は体調は良いって言ってたよ。顔色だって悪くなかった、なのに、なんで?
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