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「っ!?」
息をする間もない斬撃の嵐。
深手を負わないようにするだけで一杯一杯だ。
完全に後手に回った。
まずい、捌ききれねぇっ。
「ぐはぁっ」
右下から逆袈裟に斬られた。
深い。
こいつは、やべぇ。
切り返し、首に迫る刀。
「政宗様ァァァっ」
小十郎の声が聞こえる。
……Sorry、凪。
「三成ぃーーっ!!」
「貴、様っ」
だが、状況が一転する。
空から降ってきた黄色い塊が俺と石田の間に落ちた。
そして、その近くに降り立った異形の者。
あの姿を見間違えるはずもねぇ、異形の者は本多忠勝だ。ということは、俺と石田の間の黄色い塊は……。
「家康、貴様ァ、何故邪魔をするっ!!」
黄色い塊はやはり徳川家康か。
石田と同じく豊臣配下の武将だった男だ。
「死なすには惜しいと思ったからだ」
「なっ、何を血迷ったことを言っているっ!?その男は、秀吉様の仇だっ!!」
怒声を飛ばす石田に、徳川はゆっくりと首を振る。
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