Cloudy mind

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「にしても、手酷くやられたじゃねぇかぁ?あぁ?」 「返す言葉もねぇよ」 殊勝なこったと鼻で笑う鷹斗に、若干イラつきながら次の言葉を促す。 「で、凪を狙う奴らについては何か掴んだのか」 「あぁ、天斗の墓参りに行った時に殺った奴らを詳しく検分したんだが、全員に酷い毒層があった」 「毒層?」 聞きなれない言葉に首を傾げると、鷹斗は続ける。 「多くの毒に侵された体だってぇことだ。忍は毒を使う。それに慣らされることもあるが、それにしたって奴らは異常だぜぇ。それ程までに多種多様の毒を扱う忍と聞いて思い浮かぶのは“月影の里”の奴らだ」 「忍の里の一つ、か」 「あぁ、だが、もうその里は滅んでんだよ。十年程前になぁ」 はぁっと小さく溜め息をついてから鷹斗は続ける。 「滅んだ月影の里と凪の接点はわからねぇが何かしらあるんだろうぜぇ」 そこんとこ徹底的に調べ上げると息巻く鷹斗だったが、はっとしたように襖の方に目をやった。
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