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「政宗、私…」
昨晩の決意、石田三成と直接会って話したいと政宗に言おうとした時、遠くに騒めきが聞こえて廊下に出た。
「どうした、Honey?」
政宗も廊下に出て来ようとするけど、病み上がりもいいところだ。
「政宗は部屋にいて、お願い!」
嫌な感じがする。
政宗の怒る声を無視して襖を締める。
騒めきの方に向かって走り出すと、兵衛の気配が近付いてくる。
「兵衛!何があった?」
「凪さんっ、敵襲だ!筆頭は!?」
政宗が負傷してるとはいえ、こんな昼間っから敵襲とは、一体どこのどいつだ。思わず舌打ちをすれば兵衛が半歩引いた。
「政宗は自室だ、頼む」
こくこくっと頷いた兵衛を尻目に、騒ぎの方に足を向けてはっとした。
手ぶらだ。
愛刀は自室に置いたままだ。
取りに戻るか?いや、その時間が惜しい。現地調達する。
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