停電 180823

美波。みなみ。ああ。なんていい名前なんだろう。あなたがここにいてくれてよかった。あなたが僕と同じ時代に生まれてくれて。それだけで奇跡なのに。その上あなたはここにいる。ここに。腕の中に。僕の腕の中に。これ以上の奇跡は無い。神よ。僕は感謝する。神様。ほんとうにありがとう。美波と巡り合わせてくれて。ほんとうにほんとうにありがとう。美波。美しい、波。ああ。それはあなたに与えられた名前。まさにあなたのためにある名前。波のように。あなたの肌がたゆたう。波のように。あなたの喉元が揺れる。波のように。あなたの下腹が上下する。さざ波のように嗚咽が押し寄せる。引き波のように静けさをまとう。興奮と、静寂。静謐で、激しい。美しい情熱。繰り返し、繰り返し。静かに。そして激しく。僕の腕の中でだけ、あなたを見せて。あなたの恥ずかしい姿を。僕にだけ。あなたを見せて。