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「すみません。未熟者ですが、これからよろしくお願いします」
天沢さんの視線から逃げるように、深く頭を下げる。
いつの間にか、フロア内も普段と変わらない様子に戻っていた。
「よろしくね。萌々子ちゃんと一緒に仕事ができるなんて、嬉しいよ」
そう言って微笑んだ天沢さんを殴りたくなった。
完全な八つ当たりだ。天沢さんは何一つ悪いことしていないのに。
その笑顔も、『萌々子ちゃん』なんて可愛らしい呼び方も、身体中がムズムズして痒くなるけど。
「……こちらこそ、よろしくお願いします」
よし。私も大人になった! 痒さを押し殺したよ!
「萌々子ちゃんは、鏑木先生のことが好きなの?」
「はい!」
しまった! このままじゃ、キャラが崩壊する!
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