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母のおなかに置き忘れた可能性もある。
そのお蔭で、母はいつまで経っても色気があるのかもしれない。
そろそろ譲っていただきたい。
……話が脱線してしまった。
ようするに、私は自分の外見も性格も、何もかもが大嫌いだ。
もっと可愛らしくて、素直な子に生まれたかった。
だったら、髪を染めたり、伸ばしてパーマをかけたりすればいいと言われるけど、どうしても無理なんだ。
可愛くない人間は、何をしても可愛くない。
「ひとまず、これからの流れについて話をしておこうか」
やけに力のある視線を受け流し、その美麗な顔の横三十センチを睨みつけていると、天沢さんはようやく、私から目を逸らしてくれた。
それから、私と天沢さんは小さな会議室を使い、これからの見通しや注意事項、具体的な仕事について確認していった。
……これらのほとんどが無駄になるとは知らずに。
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