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いろいろなことに戸惑う私を置いて、天沢さんが文字通り緑で溢れているリビングらしき部屋の中に入っていった。
慌てて追いかけてみるものの、左右に伸びている観葉植物の森に目を奪われてしまう。
綺麗……というより鬱蒼としている。
ゴミ屋敷よりはいいのか……いいのか?
部屋を見通せないのは、どうなんだ?
それでも突き進む天沢さんは、植物に埋もれていたテーブルを指差して教えてくれた。
とりあえずドーナツをそこに置いていいということらしい。
「郁、俺だけど。今日は新しい担当の子を連れて来るって言っただろう。どこにいるんだ?」
天沢さんが声を少し大きくして言っても、家主から返事は返って来ない。
隣にいた天沢さんから大きな溜息が聞こえてきた。
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