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「これから、俺と一緒に先生を担当する宝生萌々子さんだ」
「モモー」
隣に座っている天沢さんから落ち着いた声が聞こえてきて、我に返って背筋を伸ばす。
正座だから、ある意味姿勢を正しやすい。何事も前向きに捉えることが大事だと、おばあちゃんが言っていた。
「宝生萌々子です。よろしくお願いします」
ニコニコとご機嫌な先生が床に座っているから、私と天沢さんも向かい合うように床に座っている。
ソファーの意味が無い。
いや、気にしてはならない。人それぞれ、生活の癖というものがある。
先生は両手にドーナツを持って、幸せそうに食べている。
因みに、右手に持っているのが八個目、左手に持っているのは九個目だ。
見ているだけで、胸焼けしてしまう。
当分、ドーナツはいらない。
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