768人が本棚に入れています
本棚に追加
/504ページ
「モモー」
「なんですか? えぇっ!? ちょっと先生、何してるんですか! どうしたらそうなるんです!?」
「郁って呼ばないと、返事しないよ」
「先生!」
「モモ」
「ああ、もうっ! 郁! 降りてください、危ないから……!」
「ふふ、はーい。あれ、どうやって降りるんだろう?」
「どうやって、登ったんですか!」
キッチンで朝食を作っていると、二階のベランダの方から郁の声が聞こえた。
嫌な予感がして慌てて行ってみると、ベランダからよじ登ったのか、郁は屋根の上で足をプラプラさせて座っていた。
あ、郁の色素の薄い栗色の髪が風に揺れて、気持ちよさそう。
いや、それどころじゃないから!
最初のコメントを投稿しよう!