常識をどこに忘れましたか

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「モモー」 「なんですか? えぇっ!? ちょっと先生、何してるんですか! どうしたらそうなるんです!?」 「(いく)って呼ばないと、返事しないよ」 「先生!」 「モモ」 「ああ、もうっ! 郁! 降りてください、危ないから……!」 「ふふ、はーい。あれ、どうやって降りるんだろう?」 「どうやって、登ったんですか!」 キッチンで朝食を作っていると、二階のベランダの方から郁の声が聞こえた。 嫌な予感がして慌てて行ってみると、ベランダからよじ登ったのか、郁は屋根の上で足をプラプラさせて座っていた。 あ、郁の色素の薄い栗色の髪が風に揺れて、気持ちよさそう。 いや、それどころじゃないから!
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