常識をどこに忘れましたか

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「どうして、陵介まで?」 「郁と萌々子ちゃんを二人きりするなんて、萌々子ちゃんが大変になりすぎるだろう?」 「そんなことないよ。モモの言うことなら、ちゃんと聞く」 「『言うことを聞く』と言っている時点で、お前が萌々子ちゃんを困らせる様子が目に浮かぶんだ。萌々子ちゃん、俺がちゃんと郁を躾けるから」 「僕は犬じゃないよ」 「犬みたいなものだろう?」 「こんなに立派な人間なのに……」 「立派……どの口が言うんだ。自分の胸に手を当てて、普段の行いをよく思い出してみろ」 「じゃあ、人間らしくする。ね、モモ」 「えっ、あの」 「郁の言葉は当てにならないが、言い出したら、誰の意見も聞かないからな……萌々子ちゃん、荷物を運ぶの手伝うよ」 「えぇっ!? あの、天沢さん?」 どうして、二人とも私がここに住むことに積極的なんだ! 常識人のはずの天沢さんまで!
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