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「モモ?」
「……あぁっ、もう! 分かったから、早く起き上がってください」
私は、とんでもなく郁のお願いに弱い。
可愛くて、無視してしまうことができないのだ。
郁本人は、自分の可愛さに無自覚のようで、余計に質が悪い。
「モモの膝枕、嬉しい」
ああ、ニコニコと笑う郁が可愛すぎる。
細くて、筋肉なんてどこにもないような外見をしているのに、郁はひょいと軽々と起き上がって、あろうことか私に抱き着いてきた。
「ちょちょっ、い、い、郁!?」
「なあに?」
「可愛く言ってもダメです!」
「ぎゅってしたら、ダメなの? どうして? 膝枕はいいのに、抱き着いたらダメ? モモは嬉しくない?」
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