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「おはよ。」
「……はよ。」
今日は古紙・衣類回収の日だ。
盾兵はいつものようにそこで煙草を吸っていた。
ゴミ袋をぽいっと捨てると、盾兵が少し驚いたような表情をしていた。
「…‥それ、制服じゃねえのか。」
「ああ、うん。辞めたんだよ。なんか仕事うぜえし、めんどくせえし。」
あれから俺は仕事を辞めた。辞めるとき俺は職場に最大限な嫌がらせをして辞めたので
結構すっきりしている。
ざまあみろ、って感じだ。
「お前は?」
「……俺もやめた。いま別のとこで働いてる。」
「そりゃそうだろな。」
仕事を辞めたって別に死にはしない。
―――――まあこれからどうやって生活していくかっていうのもあるが。
まずはとりあえずバイトをして、どうやって生きていくか決めていけばいい。
隣では、盾兵が煙草を吸っていた。
久しぶりに、俺も煙草が吸いたくなってきた。
「なあ、盾兵。」
「なんだよ。」
「煙草、一本くれねえか。」
盾兵は少し不思議そうな顔をしたが、ちょっと笑いながら、
俺に煙草を差し出した。
久しぶりに吸った煙草は旨かった。
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