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「息子を殺すと母はどんな顔をするんだろう?無理矢理追い出した兄夫婦とは既に犬猿の仲で疎遠である。私は息子殺しとして世間の晒し者にされ、然るべき場所へ収監されるだろう。すると母は…この女は独りぼっちになり世間から好奇の目で見られ他人に一生怯えながら生きていくのだろうか?残り老い先短い人生を」
ここまで考えて、無意識に頬が緩むのが感じられた。
この考えを捨てようと思った。しかし、それ以上にこの考えを行った後の状況への気分の高揚は捨てきれなかった。
息子を見つめる母に私は言った。
「お母さん、ごめんね。やっぱり無理だったよ」
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