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「何すか、俺を縛りたいんすか?」
「それもいいかもな」
「自分が気持ちよくなることしか興味ない人にはできないすよ」
そう言って、下田代は縄に挟まれた俺の性器の先を撫でた。
「っ」
もう固くそそり立っているその先端から先走りがしたたって、縄を濡らす。
自分が気持ちよくなることしか興味がない。下田代は違うというのだろうか。SMは実は、Sの方が奉仕しているとは聞いたことがある。Mが気持ちよくなれるように、サービスしてやっているのだと……。
「俺はMじゃないぞ」
「何言ってんすか? こんなになっといて」
下田代の手が強く胸を摘まんで、「うっ」と声が漏れた。
「縛られて男の手であちこちいじられて、興奮してんすよね? あ、喋れないように何か口にくわえます?」
「いや、だ……っ」
口まで塞がれたらと思うと何だか本当に怖くて、俺は慌てて下田代を止める。何か彼の納得するようなことを言わなければ、と思って慌てて口にした。
「キスできなくなるだろ」
下田代が一瞬黙る。
〝恋人っぽいことしてぇな〟
下田代自身だって言っていた。
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