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だからといって、そんな風にされるとは思わなかった。腿を伝っていく液体の感覚が気持ち悪い。でも、俺は何もできない。悔しくて睨み付けると、なだめるようにキスをされる。
「すみません、そんな顔しなくても」
それから彼は黙って俺の拘束を解いていった。魔法が解けるように、ふっと体が弛緩する。
俺はこのまま一生起き上がれないんじゃないかと思った。解放されたはずなのに、まだ体は拘束されているような気がするし、奥には下田代のものを含んでいるような感覚が残っている。
指を突っ込まれ、中から下田代の出したものを掻き出されて、恥ずかしくて死ぬかと思った。だが下田代はまだ元気そうだった。
「このまま縛んないでもう一回するってどうすか?」
縛るときとも違う、期待に満ちた明るい顔で俺を見ている。だが俺は、射精して少し冷静になっていた。
「ここ、壁、薄いんだよな」
俺と鞠子の情事の声が、あれほど生々しく届いていた。つまり、こちらの声も向こうには聞こえる。
「隣り、まだ入ってないすよ」
「反対側は?」
「……まだ帰ってないんじゃないすか?」
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