第四章

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 今日は平日だ。大学に行っているのかと思ったが、そういえば卒論は終わったとも言っていた。実家にでも帰っていたのだろうか。まるで俺の行動を見越したかのようで背筋が薄ら寒い。 「そういや、お前んちってどこなんだ?」  この近くだと聞いていた。確かに住宅がないわけではないが、多くはオフィスだ。  下田代は、間近に立つ高層ビルを指さす。 「オフィスビルだろ」 「最上階は違うんすよ」  そもそもビルの用途が違うはずだ。嘘に違いないと思ったが、いまだに得体の知れない彼のことだ。絶対にありえないとは断言できないのが何だか悔しい。 「息子さんを下さいっていう挨拶ならちょっと心の準備が……」 「昼休みに誰がそんなことしに行くか」  俺はパンを頬張る。 「お前、昼飯は?」 「昼食べないっす」 「食べろよ」  だからこいつはこんなに痩せているのかもしれない。まぁ鍛えてはいるようだしがりがりではないが、細身だ。 「ほれ」  俺は買っておいたパンがまだ入っているビニール袋を彼に渡す。 「古津さんの分なくなんないすか」 「多めに買っといた」
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