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魔女と幻の実2
「嘘でしょ……」
ウォルタはある木を見上げて、絶句した。
「……や、やった!」
フレイも同じくその木を見上げていた。そこには朱色に光沢をおびた木の実、キランの実が一つなっていた。
「間違いないよ、キランの実だ!」
フレイが頭上の木の実を指さして言った。
「まさかホントにあるなんて……この地図、いったい何なの?」
ウォルタは木の実を発見した喜びよりも、呆れのほうが勝っていた。
「何でもいいじゃん。とにかく実は見つかったんだ、早く採って持って帰ろう!」
フレイはそう言うと、木によじ登り、実を採ろうとした。
「なんか、釈然としないわ、何かあるんじゃ……」
ウォルタの勘は当たっていた。フレイが木の実をその手に掴んだ瞬間、木の上から小さな毛虫のような生物が数十匹落ちてきたのだった。
「わっ? 何だこいつら!」
「フレイ、魔物よ!早く降りなさい!」
フレイは木の実を右手で握りしめたまま、木から飛び降りた。すると、毛虫型の魔物たちはフレイに向かって襲い掛かった。
「うわっ! 何なんだよ!」
「フレイ! 伏せて!」
ウォルタの魔法銃から放たれた弾丸が、フレイに向かってきた魔物たちを貫いた。
「サンキュ、助かった!」
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