魔女と幻の実2

1/4
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/424ページ

魔女と幻の実2

「嘘でしょ……」 ウォルタはある木を見上げて、絶句した。 「……や、やった!」 フレイも同じくその木を見上げていた。そこには朱色に光沢をおびた木の実、キランの実が一つなっていた。 「間違いないよ、キランの実だ!」 フレイが頭上の木の実を指さして言った。 「まさかホントにあるなんて……この地図、いったい何なの?」 ウォルタは木の実を発見した喜びよりも、呆れのほうが勝っていた。 「何でもいいじゃん。とにかく実は見つかったんだ、早く採って持って帰ろう!」 フレイはそう言うと、木によじ登り、実を採ろうとした。 「なんか、釈然としないわ、何かあるんじゃ……」 ウォルタの勘は当たっていた。フレイが木の実をその手に掴んだ瞬間、木の上から小さな毛虫のような生物が数十匹落ちてきたのだった。 「わっ? 何だこいつら!」 「フレイ、魔物よ!早く降りなさい!」 フレイは木の実を右手で握りしめたまま、木から飛び降りた。すると、毛虫型の魔物たちはフレイに向かって襲い掛かった。 「うわっ! 何なんだよ!」 「フレイ! 伏せて!」 ウォルタの魔法銃から放たれた弾丸が、フレイに向かってきた魔物たちを貫いた。 「サンキュ、助かった!」     
/424ページ

最初のコメントを投稿しよう!