一話目

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一話目

 俺には可愛い幼なじみがいる。女の子みたいに可愛い。  小さな頃からつるんでいて、お互い彼女もできなくて……好奇心からキスとかしてみたり、抜き合いとかしてみたりしているうちに、自然と致してしまう仲になっていた。  そこにあるのが、愛か友情の延長なのかはわからない。  女の子みたいに可愛いから、俺としては特に抵抗はなく、擦り合うのと同じで、気持ちよければいいよねーといいう軽いものだった。  でも、俺は……軽い気持ちで始めたこの爛れた関係を、今とても、もの凄く、本当に、超絶、死ぬほど、後悔している。   「なんで? オレだってついてんだもん。突っ込んでみたい」    今までそんなこと、言ったこともなかったのに……突然、挿れさせろと迫られた。   「それは、その……お、男として……ちょっと」 「今まで男のオレに突っ込んでおいて、どの口がそーゆーこと言うワケェ?」 「いっ、いらい! やめろよ!」    唇の両端を思い切り引っ張られて妙な声が出た。  無理矢理引き剥がして、退路を確保する。こういう時は逃げてしまうに限る。   「おい、逃げるなよ。逃げたら、もう一生オレに触らせてやんねーし、幼なじみの縁も切ってやるからな」     
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