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――――10年後
アステア歴4222年
「いよっし! やっと14歳の誕生日を迎えたぜー!」
「リュートよ。本当に旅立ってしまうのか?」
「あぁ。10年前にじいちゃんと約束したからな。俺が成人になったら、この世界の過去を調べて歴史の謎を解いて見せるってさ」
「ランドル王国の法律では14歳からが成人っていう扱いになるけど……だからって14歳になった途端に旅立つなんて……お母さんは反対だわ」
「心配すんなよ母さん。これでも剣術は学校一の強さだったんだぜ? マナスキルも使えるようになったし、そこらの魔物なんかにゃ負けないよ」
「確かにお前は剣術には秀でた才能があるが、魔法の方はからっきしではないか。マナスキルを使えるようになったからと言って、あまり調子に乗るんじゃないぞ」
「あちゃー、父さんは痛いとこつくなー」
「回復薬のポーションはしっかり持ったわね?」
「あぁ! 回復魔法を使えないからポーションは手放せないよ」
「時々でいいから手紙を書くんだぞ」
「わかってるって! それじゃ、行ってくる!」
こうして14歳の誕生日を迎えた少年リュートは、世界の歴史を調べる為に、メモリースフィア探しの旅に出るのであった。
しかし、これはまだ序章に過ぎない。この世界にかつてない脅威が近付いていることを、この時は誰も予想していなかった。
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