第一章 出会い

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第一章 出会い

 この世界、アステアでは14歳からが成人という扱いになる。  サザンローグで平和に暮らしていた1人の少年“リュート”は、10年前に偶然見つけたメモリースフィアがキッカケで、歴史の謎を解明する旅に出ることを決意する。  成人するまでは旅に出ることを両親に禁じられていたリュートは、旅に出る日の為に鍛錬を怠らず、自らの剣術にしっかりと磨きをかけて育ってきた。  魔法の才能は皆無とされてきたが、人々が持つ個別の能力であるマナスキルを彼は会得し、自らの肉体を強化する術を身に着ける。  自らの肉体を強化した上での剣術は、同年代の魔法使いにも全く引けを取らず、彼の通っていた学校でも随一の強さを誇っていた。  そして、14歳の誕生日を迎えると同時に旅立った彼は、初めて見る世界の広大さに胸を弾ませながら、今は亡き祖父“メルバ”の言葉を思い出していた。
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