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そしてもう一人の参加者が書斎に入って来た。伯母さんがお盆に紅茶とお菓子を持って登場したのである。
英国風の豪華なティーセットをテーブルの上に置き、遊飛に向かって微笑む。
「アフタヌーン・ティータイムよ」
しかし、遊飛と同じくタイミングが良くなかったみたいで、せっかくのスコーンもクッキーも後回しになった。
「春子。紅茶の前に重要な事がある。君もこっちに来てくれ」
「遊飛もだよ」
そう言われて、遊飛も伯母さんと一緒に大きなデスクを囲む。その時、伯母さんに羽根が浮かんでいる事を指で差して教えると、素直に驚いてくれた。
遊飛はその反応が嬉しくて微笑みかける。
「その羽根、本に挟んであったんですよ」
「あらま、不思議発見ですわ」
しかしそれ以上に不思議な事がデスクの上で行われていて、遊飛はそれを見て茫然と立ち尽くす。
羽根が此処に飛んで来たのが必然であり、遊飛に遅いと佳乃子が言ったのも納得した。
そのデスクの向こうにその羽根の持ち主が現れたのある。遊飛は息を呑んで佳乃子と伯父さんに驚きと感激の気持ちを伝えた。
「う、嘘でしょ!?もしかして、父ですか?」
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