暗号の解読

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「えっ?」  佳乃子がメガネを掛け直して、暗号を再度見直した。 「バツ印はある者を意味していると考えていたけど、かけ算ってこと?」 「伯母さんが言ったように単純に考えればいいんだよ。△と□をカケるんです」  そして佳乃子も伯父さんも頷き、ある数字を導き出した。遊飛はその答えに重要な意味合いがあるとは知らなかったが、佳乃子と伯父さんは感激している。 「そうか、三角と四角く。三四、12だ!」 「なるほど。遊飛くん、すごいじゃないか」  そしてその12という声に空中の羽根が反応してデスクの上に近付き、単純な公式の答えと英単語を書き足した。 [△ × □ = 12 component ]  羽根の先がペンになっているようにそう書き記すと、その数式はすぐに消えた。  暗号は解ければ二度と見られないようになっているようだ。  紅茶をティーポットに入れ終えた伯母さんもそれを見て驚いている。そして佳乃子と伯父さんは微笑んで頷いた。  遊飛はというと「12 component 」って?と小声で呟く。
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