東京ノスタルジア

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 二日目は朝早くから、築地市場で朝飯漁り。(七時現地集合だったが、今思えば無謀な時間設定だった)友達と合流するために、人の行きかう市場の中を行ったり来たり。観光客、商売に精を出す人、卸売りの仕事をこなすおっさん。三輪セグウェイみたいなやつに何回も轢かれそうになりながら、店を見て回る。寿司屋、卵焼き、海鮮丼、魚の店。築地市場をくまなく回ったつもりだったが、実際は十分の一ぐらいしか見れていないことを後で知った。築地広い!FUCK!おかげで友達と合流できたのは九時ごろになった。  3人そろって、市場の奥に進む。大量のトラックやバイク、フォークリフトが行きかう広い通路の奥に、マグロらしき大きな魚を発見。そう、ここは観光地であるまえに、物流の中心であり、大規模な市場なのだ。モノがひっきりなしに行きかう様子は私にとって非日常で、異文化の体験であった。されど、ここで働く人たちにとっては、これこそが日常であり、文化であるからわざわざそんなことを思いついたりするはずがない。そんな当たり前のことをしみじみ思った。他人の生活を「彼らにとっての当たり前」として、再認識・再確認してみることは、実感を伴った、非常に有意義な経験であった。これが、本当の意味で異文化に触れるということなのだろう。  適当に見つけた店で2300円の海鮮丼を腹に詰め込み、原宿へ向かう。  若い女の子は思い思いの格好をし、股間だけデカそうな男が飾りとして自我を死滅させ女の後ろをついて回る。お粗末すぎる偏見だが、ここは女性が主役の街であることは間違いない、そんな印象を受けた。  駅近くのアメリカテイストで観光客キラーな外観のお店に入ってみる。スポンジボブみたいな、表情の読めないアメリカンポップなキャラクターがクッキーを頬張っている。かわいい外国人の姉ちゃんが流暢な英語と流暢な日本語でオーダーを読み上げる(めっちゃ上手やん!)。私は何も買わなかったが、友達が緑の塗料を混ぜた生コンクリートみたいな飲み物?を買っていた。いかにも身体に悪そうな生コンを満足げにすする彼。何事も形から入ってみるというのは、ありきたりだが常套手段だ。  「原宿に遊びに来た」ような雰囲気を纏い、竹下通りを下っていく。黒人に話しかけられるとニセモノブランドをつかまされるらしいと聞いて、誰とも目を合わさぬようそそくさと通り抜ける。何しに来たんだいったい。
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