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気になる人
例えるなら、夏の太陽のように眩しく、春の風のように爽やかな笑顔。
誰にでも優しく、不思議と人を惹き付ける天性の魅力に、自然と私も惹かれていました。
萩山春人。
ただ、遠くから彼を見ているだけで、私は満足していました。
「華ちゃん。また、萩山君のこと見ているよ!」
「……えっ! そ、そんなことないよ!」
「嘘ばっかり。でも、萩山君を狙ってる女子はいっぱいいるからなぁ」
「……う、うん」
友達のさっちゃんに、また注意されてしまいました。無意識の内に、萩山君を目で追ってしまう私は、よくさっちゃんに注意をされてしまいます。
でも、人見知りな私は、萩山君に話しかける勇気もなく、見ているだけで満足と想いながら、本当は見ることしか出来なかったのでした。
「さっちゃんは、萩山君と同じ中学だったよね?」
「そうだよ。萩山君は、中学の時も人気あったなあ。ファンクラブもあったし、萩山君を取り合って、女子がケンカしていたこともあったような……」
「そうなんだ……。やっぱり、萩山君って凄いね」
私のような、見た目も平凡で特徴のない女子なんて、萩山君は高嶺の花。
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