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大きすぎる戦力は、もはや笑うしかなく、私はただ、ため息をつくことしかでしませんでした。
「おーい、ホームルームを始めるぞ」
教室に先生が入って来て、午後のホームルームが始まりました。
「――以上で終わるが、日直は明日配るプリントの準備をお願いしたい。確か、今日の日直は萩山と――」
「先生! すみませんが、私この後部活で、無理です!」
「倉敷は、ソフトボール部だったな。確かに、試合前の大事な時期だしな……。誰か、変わってやってくれないか?」
私は部活動に参加していないので、放課後は何の予定もありませんでした。萩山君と二人っきりになれるとなれば、手を上げたいのですが、恥ずかしくて手を上げられずにいました。
しかし、意外なことに先生が、助け船を出してくれたのでした。
「奥崎は、確か部活に入っていなかったよな? 奥崎、頼めるか?」
「は、はい! 私に任せてください!」
「……よ、よろしく頼むよ」
嬉しさを隠すあまり、声が裏返ってしまいました。
目立つことが好きではない私は、周囲のクスクスと笑う声に、紅くなっている顔を悟られないように、下を向いていました。
「それじゃあ、今日は終わる。日直」
「起立――」
挨拶が終わり、クラスメイトは足早に教室から、一人二人と出て行きました。
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