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妹は中学三年生になった頃からいじめにあった。髪の毛を燃やされたりした。おそらく妹のとろさがいじめっ子の目に止まってしまったのだろう。そうして登校拒否になった。
私は高校生になっていた。私が高校入学と同時に両親は離婚した。これも当時はまだ人々に認識のなかった虐待を、私たちは受けていた。
私たちは何かといえば父に殴られ蹴られた。それが時に自分に全く身に覚えのないことでも殴られ、蹴られた。けれど当時の私は父親とはそういうものだと思っていた。学校のクラスメイト全員の父親がそうなのだと思っていた。
それが違うと思い始めたのは中学生になった辺りからだった。
私と妹は母に引き取られた。母は登校拒否となった妹に家庭教師をつけたが、妹が馴染めずすぐ家庭教師は来なくなった。
私が高校受験する時、父は「うちは貧乏だから都立しか受験させない」と言った。父に土下座して通わせてもらった塾の先生も学校の先生も「滑り止めの私立を受験しないなんてあり得ない」と言った。けれど、そんなことを私に言われても私にはどうしようもないことだった。
私は受験に失敗し、定員に満たない都立高校へ入学した。それなのに妹が受験となった時、父は「こいつはバカだから私立も受験させないと」と言い出した。
私の妹に対する怒りと憎しみはこの時から始まった。
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