痛み

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 妹から離れて暮らしていた数年間は幸せだった。私もまだ若かったので、誰にも干渉されない独り暮らしを満喫していた。  だが、私が仕事に真面目に没頭しすぎたせいで精神を病んでしまい、独り暮らしが困難となって母と妹が暮らす家に戻ることになった。  私がいなかった数年間で妹の王様度は桁違いに上がっていた。私も精神を病んでいたため、妹に抗うパワーなど残ってはいなかった。  妹は一日中ベラベラと大きな声で話し続けた。そのほとんどが悪口や批判だった。会ったこともない、自分になんの影響もない人に対してどうしてそこまで痛烈な批判が出来るのか、どうしてそこまで憎めるのか、私には全く理解できなかった。  ただ、とにかく妹の声は耳障りで、病んでいる私にとってネガティブな言葉の数々はグサグサと刺さってきた。自分に向けて言われた言葉でなかったとしてもそれは同じことだった。
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