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第三話 Ayaの狙う組織J
凛は、先ず、言葉の確認をした。
「先程から北京語だが、AyaもKouも大丈夫なのか?」
「私は、大抵の言語に通じております。Kouも仕事柄、分からないとは言わせません」
二人で深く頭を下げた。
「それは、大儀である」
「誠にありがとうございます。李凛様」
まだ、頭を上げないでいた。
「李氏は、漢姓で、中国や朝鮮やベトナムなどにも広がり、人口が多いことでも知られている。それは、お二人ともご存知であろう?」
「はい。リーと読む姓を合わせると膨大な数になる姓とお見受けいたします」
Ayaが雄弁になっている一方で、Kouは、クシャミをこらえていた。
次第に涙目にもなってしまい、猫様アレルギーも困ったものだと、Kouは苦心していた。
顔中を拭くのだが、痒くて仕方がない。
「ワラワが、その李家の総本山の当主であるぞ」
凛はすっと立ち上がった。
裾や袖を扱う所作はうっとりする程の高い品を感じさせた。
「その李家が、揺るぎのさなかに突き落とされた。恐れていたことが起きたのである。ちこう寄れ。これをたもて」
「では、私が」
Ayaが凛の持つ何かを受け取りに歩んだ。
不思議な手紙を拝見する。
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